パーティーや発表会などのイベントをビデオで撮影しようという人も多いと思います。
でも、撮影した映像を後でテレビにつないで観てみると、ゴチャゴチャしていて見づらく、音もノイズが多くて…とがっかりした経験をお持ちの方もおられるでしょう。一概にパーティーや発表会といっても、多種多様な形態が存在しますので、最適な撮影方法はそれぞれ変わってくるものです。今回は、よくある一般的な事例に基づき、発表会などのイベントにおけるビデオ撮影のコツを解説しようと思います。

パーティー撮影のコツ

パーティー会場によって、広さはさまざまですが、高級ホテルのボールルームを貸し切るような大型パーティーの場合、座席配置によっては、かなり後方からの撮影となる場合がありますので、望遠に強いビデオカメラを使用するのが理想です。また、手振れを防ぐために三脚もしくは一脚を併用することをオススメします。特に三脚については高さがあるものが理想です。舞台の高さがあまり高くない場合がおおく、後方からの撮影では、ある程度高さがないと客席で隠れてしまうからです。

逆に、小規模なパーティーの場合は、室内が狭い場合が見受けられることから、広角性能に優れたカメラが理想ですし、場合によってはワイドコンバージョンレンズと呼ばれる広角レンズを装着することも可能です。いずれの場合も、「主役」のほか「来賓」、そして「パーティー参加者」により、華やいだ雰囲気の中で進行されるケースが多いです。撮影の中心は「主役」や「来賓」に向きがちですが、「パーティー参加者」もしっかりと撮影しておくべきです。

無礼講で歓談する様子、コース料理に舌鼓を打つ様子、さらに、アルコールが回ってご機嫌な様子などなど、普段のビジネスの場では見られない、良い表情が撮影できるのもパーティならではです。ぜひいろいろな人を撮影してみてください。但し、人によっては撮影を嫌がる方もおられますから、至近距離で撮影する場合には、必ず声を掛けて了解を撮ってから撮影するようにしましょう。

音楽発表会撮影のコツ

音楽会などの発表会の場合、基本、舞台全体が見渡せる後方座席を利用します。よく通路に三脚を設置して撮影される方が多いのですが、最後尾後方通路は非常時通路となるため、三脚など設置すると消防法に触れる可能性がありおすすめできません。客席最後列から3列目ぐらいを利用するとよいでしょう。

撮影する映像にも気を遣いつつ、演奏する楽器の「音」も重視する必要があります。会場設備によっては、楽器の原音のみを聴かせる場合と、楽器の音をマイクで集音し、会場設置スピーカーから鳴らす場合とがあります。 会場の最後列付近でビデオを構えているような場合、ビデオカメラが聴衆の雑音(咳、コンビニ袋のクシャクシャ音など)を拾い、聴き苦しい録音となる場合があります。ガンマイクという狙った音を鮮明に集音するアイテムもありますので、利用するとよいでしょう

特に音は音源の近くから撮るのが理想ですが、今度は舞台が見渡せなくなるなどの問題があります。映像の撮影を優先するか音声を重視したいのかを考えるとよいでしょう。「音」に気を配りつつ、演奏者もクローズアップして撮影しやすい場所を探すようにしましょう。撮影の際には、手持ち撮影ですと腕が疲れて手振れが起きてしまいますので、三脚もしくは一脚を使用しましょう。

バレエやダンスコンクールなどの撮影のコツ

基本的に定位置で舞台に登場する音楽会などの合唱コンクールなどと違い、バレエやダンスの場合は、複数の出演者の位置が目まぐるしく変化するものです。そのため、自分の子どもや、ファンなど、お目当ての出演者のみを追いかけて撮るのは、非常に難しいものです。1台のカメラで撮影する場合、「お目当て」だけを追いかけて撮影するとブレだらけで見苦しく、しかも肝心のお目当てがあまり映っていないということにもなります。「お目当て」をクローズアップしたいという気持ちを抑え、やや広めの視野で撮影すると、ブレも少なく、「お目当て」も画面に時折現れ、結果的に視聴しやすい映像となります。

もし、カメラを2台設置することが可能であれば、1台を広めの視野で固定して撮影し、もう1台のカメラを「お目当て」のクローズアップ用として撮影し、あとで編集して合体するとよいでしょう。

シンポジウムの撮影のコツ

シンポジウムは発言者が複数登壇するため、発言のたびにカメラの向きや構図を変える必要があります。また、スクリーンを使用する場合が多いですが、その場合は、スクリーンをメインに撮影しつつも、画面の隅に登壇者を映し込むという手法がよく用いられます。普段は「登壇者とスクリーン」スクリーンの内容を説明している最中は「スクリーンのみ」、登壇者がスクリーンなどの資料とは関係なく話しているときは「登壇者だけ」といった構図を使い分けるとより効果的です。注意点として、スクリーンと登壇者との明るさの違いにより、適切な明るさを得られない場合があります。スクリーンが綺麗に移ると顔が真っ黒なんてことも。聴衆者の映像への映り込み可否なども確認しておくとよいでしょう。